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紙本着色観心十界図(しほんちゃくしょくかんしんじゅうかいず) 東京都瑞穂町

臨済宗建長寺派・北小山円福寺(ほっこざんえんぷくじ)に古くから伝わる宝物のひとつです。図は別名「地獄極楽之図」ともよばれており、人が生まれてきて成人し、やがて老人となる人生の移り変わりを示した部分が上部に描かれています。その下方には、人が生まれ変わって地獄・餓鬼(がき)・畜生の三悪道と阿修羅(あしゅら)・人間・天上を加えた六道(六界)を輪廻(りんね)していく部分、そして声聞(しょうもん)・縁覚(えんがく)・菩薩・如来の悟界を描いています。

詳しく見ると、上半部は円内に書かれた「心」の一字を中心とし、前に三具足と飯器を供え、風に翻る幡(ばん)一対を立てた卓を据え、卓前には法要を営む12名の僧、右側には雲上に立つ仏、菩薩各一と、礼拝する夫妻、子息等、左側には亡者を裁く閻魔王(えんまおう)と飛天二、後方に阿弥陀仏と四菩薩、その左右には座具に坐す比丘(びく)各一(声聞・縁覚か)を描き、それらの上部には大半円弧があり、下方には飯器に釘を打つ鬼や戦闘する甲冑(かっちゅう)の武士、動物等を描きます。

この一幅は、諸国を巡歴して熊野信仰を広めていた熊野比丘尼(くまのびくに)の「絵解き」用具として作られたといわれ、諸人、特に女性に勧善懲悪(かんぜんちょうあく)を説くために使われたと推察されています。

大きさは、画面が縦140.6cm、横127.6cm、製作年代は中世末から近世初期と推定されています。文献資料によって、近世中期まで江戸やその周辺に熊野比丘尼が遊行(ゆぎょう)していたことは明らかであるが、本図はその態様を示す希少な民俗資料として東京都から平成元年3月24日に指定を受けています。

紙本着色観心十界図(しほんちゃくしょくかんしんじっうかいず)
紙本着色観心十界図(しほんちゃくしょくかんしんじっうかいず)

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